テレワークが常態化して、一同に集まる機会が減少傾向にある中、新しい年度をモチベーション高くスタートさせるために行われる”キックオフイベント”の重要性が益々高まってきています。
オンラインで実施する企業もあれば、ホテルやイベント会場に社員を集めて行う企業もあります。
本章では、多くのキックオフイベントを見てきて感じた、「成功するキックオフイベント」と「失敗するキックオフイベント」の違いをまとめていきたいと思います。
参加者の満足度が高いキックオフイベントとは?是非ご一読ください。
目次:
1.キックオフイベントの目的とは? 2.失敗するキックオフイベントの特徴とは? 3.キックオフイベントを成功させるために必要な3つの法則 4.おすすめのゲーミフィケーションを使ったチームビルディング3選 5.まとめ
1.キックオフイベントの目的とは?
キックオフイベントとは、主に新しい期を迎える時に、大企業であれば事業部ごと、ベンチャー企業であれば全社員を集めて、会社・事業部が向かう方向性・ビジョンを伝え、社員のモチベーションを高めることを目的としたイベントを指します。
近年では、オンラインでやハイブリット(リアルとオンラインの融合)での実施も多く行われています。
イベントを検討する上で、最も重要なポイントとしては、「社員=イベントの参加者のモチベーションを高めることが目的」であるということです。
そのため、経営者や運営側の自己満足であってはならず、参加者が参加して良かったと思えるイベントを企画・運営することが重要です。
【キックオフイベント事例】想いをひとつに!一から切り開いたハイブリット型キックオフイベントJTB
2.失敗するキックオフイベントの特徴とは?
これまで多くのキックオフイベントの企画・運営に携わってきた際に感じた失敗するキックオフイベントの特徴には以下の条件が当てはまっていました。
1.イベント内容が一方的に伝えるばかり
キックオフイベントの目的のひとつに「目的やゴール・ビジョンの共有」をする企業がほとんどですが、限られた時間の中で、伝えたいことが多すぎて、ビジョンムービーを見せて、社長・役員のメッセージがあり、各事業部の戦略の共有があり・・・といった感じで伝えることで終始終えてしまうイベントは、本来の目的である「社員のモチベーションアップ」には一切繋がりません。
伝え方が一方的になりがちな場合は、「伝える」のではなく、「伝わる」ことを意識した工夫が必要になります。
例えば、まずは「参加者同士がこの会社をどうしたいか?どうしていきたいか?」といったことをテーブル内で共有しあってから、ビジョンムービーを見せるといったやり方や、各事業部の戦略の共有に関しては、テーブルごとで実施し、移動しながら質問ができる参加型の形式にするなど、必ず2WAYの進め方を意識することが重要です。
2.一部のメンバーの表彰で時間を取りすぎる
キックオフイベントでよく行われる内容のひとつとして「表彰」があります。たとえば、営業であれば、前年の営業成績が良かった部や人の表彰などがよく行われます。
表彰されることはモチベーションに繋がることがありますが、実は逆効果になっていることも多く見かけます。理由としては、表彰されない人は表彰に興味が湧きづらかったり、表彰された審査基準が曖昧で納得感がないといったことがあります。
決して、表彰することが悪いことではないですが、あまりにも表彰の時間が長かったり、表彰を聞いている側の人たちが全く承認されていないような気分になるような表彰式だった場合は最悪な結果を招きます。
もし、表彰式を行うのであれば、ノミネート形式にして、当日投票で決めるといった参加型にするなどの工夫も必要です。
3.日頃の労い・感謝を伝えられていない
ビジョンの共有や一部の表彰にばかり気を取られ、参加者に対する日頃の労いや感謝を伝えることを疎かにしているイベントは失敗することが多いです。
あくまでも社員が参加して良かったと思えること、そして参加したことによって、モチベーションやエンゲージメントが高まることを目的と考えた場合、参加者全員への感謝を伝えることが何よりも重要です。
経営者やイベントを企画・運営をする人たちは、参加者をおもてなしするといったホスピタリティを持つこと、あまりにも経営的な意図ばかりに気を取られすぎないことが大切です。
3.キックオフイベントを成功させるために必要な3つの法則
それでは、キックオフイベントを成功させるために必要なこととは何でしょうか?
ここでは3つの法則を挙げさせて頂きます。
【法則その1】社員参加型であること
失敗するキックオフイベントの条件でも挙げたように一方的に伝えるだけのイベントのほとんどは失敗に終わります。
ビジョンを伝えるにしても、クイズ形式にして楽しめるように工夫をしたり、ビジョンに対してグループディスカッションのパートを導入するなど、相互で理解を深めていくことが重要になります。
例えば、これまでの会社の歴史やビジョンやバリューをライブクイズにして盛り上げることができるWebアプリなどを使うと参加意欲が高まり、イベントにエンゲージメントしやすくなります。
下記のKahootは有料ではありますが、簡単にクイズを作成でき、ライブ集計もしてくれるとても優秀なライブクイズWebアプリで、イベントでもよく使われます。
【法則その2】表彰されるジャンルを多岐に用意していること
前年の成績に対して表彰することは多くありますが、先ほど述べたように表彰されない人たちは、表彰式に対してモチベーションが高くないことがしばしばあります。また、表彰となるとわかりやすく表彰されやすい部門(営業や開発)があり、バックオフィスの管理部やオペレーション部門は表彰されづらいものです。
そこで、表彰されるジャンルを多岐に用意することが重要です。
必ず各部門が表彰されるように、「ベストサポーター賞」や「ベスト改善賞」といった日頃スポットライトがあたりにくい部門に光をあてることを意識することで、部門を超えた相互理解が進みます。
また、先ほどご紹介したクイズゲームで優勝した人やチームを表彰するといった仕事とは関係のないところで表彰するといったことも有効な手段と言えます。
【法則その3】日頃の労いや感謝が伝わる
キックオフイベントの主役はあくまでも参加者である社員です。そのため、イベントの企画・運営する人たちは、社員に日頃の労いや感謝が伝わるようなイベントを企画・運営することが重要です。
一人ひとりにサンクスカードを渡したり、経営からのメッセージとして、それぞれの部門やチームの感謝を伝えるような内容にしたり、ちょっと豪華な料理を用意したり・・・といった感じで「この会社で働いていて良かった!」と思ってもらえるような内容を用意することが大切です。
失敗するイベントの多くは、この「感謝や労い」がないまま経営がやりたいことをやっているといったことがほとんどです。
キックオフイベントを成功させる大原則のまとめ
キックオフイベントを成功させるために重要なことは、主役はあくまで参加者=社員であるというマインドを忘れないことです。
そうすれば、経営からのメッセージが長すぎて参加者が飽きるようなことも無ければ、表彰式に我慢して参加するような社員も居なくなります。
参加者を巻き込み、参加型で、かつ感謝が伝わるイベントを企画すれば成功は間違いないでしょう。
4.ゲーミフィケーションに必要な要素とは?
最後に、私の専門である「チームビルディングアクティビティ」をキックオフイベントで使うことのメリットについて書きたいと思います。
これまで解説してきたように、イベントの主役は参加者です。イベントの主役である社員が参加して良かった!と思えるようなイベントにするためにチームビルディングアクティビティはとても有効です。
【理由その1】イベントへの参加意欲が高まる
イベントに参加しているメンバーの中で、受け身でイベントに参加している人も少なからずいます。
受け身のまま経営メッセージを聞かされたり、表彰を見させられたりする人からすればたまったものではありません。
受け身の姿勢から主体的な姿勢に変換させるためにも、イベントの冒頭でチームビルディングアクティビティでアイスブレイクをすることで、イベント会場の雰囲気ががらりと変わります。
また、アクティビティのインパクトがあればあるほど、休憩時間にチームメンバーとの会話が弾みます。
【理由その2】ビジョンや戦略が伝わりやすくなる
チームビルディングアクティビティは、単なる遊びとは異なり、ビジネスで活用できる学びを得ることができます。
より良いチームをつくるために、ビジョンや戦略が重要性であることや、チームとして活動することの有効性を学んだ参加者は、その後に行われる経営からのビジョンへの納得感が高まります。
経営からのメッセージを受け取りやすい状態になるというのもチームビルディングアクティビティの効果となります。
【理由その3】参加者同士の相互理解が深まる
部門が異なれば、普段なかなか会話をしない人も存在します。せっかく集まったからには、参加者である社員同士がお互いの理解を深めてもらい、その後の活動に活かすことができる人脈をつくってもらうことは、会社経営においてとても効果的です。
チームビルディングアクティビティを通じて、お互いのパーソナリティへの理解を深め、チームとしての結束力を高めることは、新しい年度を迎える上でとても大切なことと言えるでしょう。
※下記リンクでは、弊社のチームビルディングアクティビティをご紹介しています。
キックオフイベントに最適!VRチームビルディングアクティビティ「Hotel Homicide」
5.まとめ
働き方が多様化する中で、キックオフイベントのあり方が大きく変わりつつあります。
しかし、キックオフイベントの目的は普遍的なものではないでしょうか?
あくまで主役は参加者である社員の皆様です。社員がモチベーション高く新しい期を迎えるためにも、参加意欲が高まり、感謝が伝わり、未来に向かって一丸となるイベントを企画していきましょう!
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この記事を書いた人
納土 哲也
岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。