チームビルディング

OD/Organization Development(組織開発)だけでは課題は解決しない?TD/Team Development(チーム開発)によって個別課題を解決しよう!

OD/Organization Development(組織開発)とは、組織全体のパフォーマンス向上や変革を実現させるために、計画的かつ体系的に行われるアプローチや活動を指します。ミッション・ビジョン・バリューの浸透や、組織戦略の立案・実行、人事制度の構築など手法は様々です。

一方で、TD/Team Development(チーム開発)とは、特定のチームを対象とし、チーム内の関係性やパフォーマンスを向上させることを目的とした活動を指します。チームビルディングやワークショップ、フィードバック(1on1など)セッションなどこちらも手法は様々です。

ここでは、ODとTDの違いとそれぞれが果たす役割について解説していきます。

OD/Organization Development(組織開発)とTD/Team Development(チーム開発)の定義

Organization Development (OD)

定義: 組織全体を対象とし、長期的なパフォーマンス向上や変革を目的とした計画的なプロセス。
対象範囲: 個人、チーム、部門、組織全体。組織の構造、文化、プロセス、戦略など幅広い要素をカバーします。
: 組織文化の変革、業務プロセス改善、変革マネジメント、リーダーシップの強化 など。

Team Development(TD)

定義: 特定のチームを対象とし、チーム内の関係性や機能性を向上させることを目的とした活動。
対象範囲: 特定のプロジェクトチーム、部門チーム、リーダーとそのメンバーなど、チーム単位で行われます。
: チームビルディング、メンバー間の信頼構築、役割分担の明確化。

OD/Organization Development(組織開発)とTD/Team Development(チーム開発)の主な目的の違いとは?

Organization Developmentの目的

  • 組織全体の適応力や競争力の向上。
  • 長期的な戦略目標の達成。
  • イノベーションの促進や変化への柔軟な対応。
  • 組織文化や働き方の根本的な見直し。

Team Developmentの目的

  • チーム内のコミュニケーション改善。
  • チームのパフォーマンス向上。
  • 役割と責任の明確化。
  • 信頼関係を深め、協力体制を強化

D/Organization Development(組織開発)とTD/Team Development(チーム開発)の具体的なアプローチとは?

Organization Developmentのアプローチ

  • データ収集と分析: 社内調査やアセスメントを実施して現状を把握。
  • 変革の計画と実行: 組織のプロセスや構造、文化を変えるための施策を実施。
  • 教育・トレーニング: 組織全体でスキルや意識の向上を図る。
  • 継続的改善: 効果をモニタリングしながら、必要に応じて取り組みを進化させる。

Team Developmentのアプローチ

  • チームビルディング: アウトドア活動やグループワークを通じて協力関係を強化。
  • ワークショップ: チーム内の課題解決やコミュニケーション改善を目的としたセッション。
  • 役割明確化: メンバー各自の責任や目標を共有。
  • フィードバック: 定期的なレビューや評価を通じて改善を促進。

OD/Organization Development(組織開発)とTD/Team Development(チーム開発)の成果と影響範囲の違いとは?

Organization Developmentの成果と影響範囲

  • 成果: 組織全体の目標達成力や柔軟性が向上。
  • 影響範囲: 組織全体。トップダウンの視点で、全社的な変革や長期戦略に影響します。

Team Developmentの成果と影響範囲

  • 成果: チームのパフォーマンスや効率が向上し、課題が解決される。
  • 影響範囲: 特定のチームや部門。日々の業務やプロジェクトの成功に直結。

まとめ

ODは「組織全体の未来を見据えた戦略的な変革」、Team Developmentは「チーム内の具体的な課題や業績改善」が主な焦点です。それぞれの目的に応じて適切に使い分けることが重要です。

項目Organization Development (OD)Team Development
対象範囲組織全体特定のチームや部門
目的長期的な組織の成長、適応力強化チーム内の効率や信頼関係の向上
活動の規模全社的な取り組みチーム単位の取り組み
時間軸長期的比較的短期的
成果組織全体の持続的成長と競争力チームの協力関係と業務成果

あとがき

初めて「Team Development(チーム開発)」という言葉に出会ったのは、オーストラリアのパートナー企業で働いていた時の同僚の言葉

オーストラリアでは、多くの企業がほぼ毎日のようにチームを集めてチームビルディング活動を行っており、これをサポートするアクティビティやワークショップが広く提供されています。そこで特に驚いたのが、各チームにチームビルディング専用の予算が割り当てられている点でした。この予算は、チームビルディングを目的とする活動であれば自由に使うことが許され、リーダーたちにその裁量が委ねられていました。

当時の私にとって、組織開発や人材開発の予算は経営チームや人事部などの本部が管理し、全社的な取り組みに使われるのが当然という印象がありました。そのため、チームごとに予算と権限が与えられる仕組みは非常に新鮮で、価値あるものに感じられました。

さらに、ワークショップが終わった帰り道、オーストラリアで働く同僚がビールを片手に、「私たちがやっているのは、ただのチームビルディングではなく、Team Development(チーム開発)なんだ」と熱く語ってくれたことが、今でも印象に残っています。

日本企業でも、チームごとに権限を渡し、各チームが必要なことを自ら決めて取り組むことで、主体性が高まり、エンゲージメントの強い組織を作ることができると実感しています。

Team Development(チーム開発)のためのチームビルディングやワークショップ一覧

この記事を書いた人

納土 哲也

岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。

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