2020年以降「メタバース」がトレンドとなり、様々な産業でVRを活用したサービスが次々に生まれてきています。
例えば、金融業界ではNFTを活用したデジタル資産の運用、ファッション業界ではメタバースの中で販売・接客を行うデジタル店舗の提供など、このようにこの先、仮想現実・メタバースと現実世界がシームレスに繋がっていっています。
チームビルディングの業界でもVRやメタバースを活用したチームビルディングのプログラムが次々に生まれて来ています。
【参考記事:英語】世界のVRを活用したチームビルディングゲーム10選
では、なぜVRを活用したチームビルディングがこれまでにも世界中で注目されているのか、そしてVRを活用することでどのような効果があるのか?について解説をしていきたいと思います。
1.チームビルディングとは?
そもそもチームビルディングとは何か?
一言で言うと、チームの関係性を高め、生産性や創造力を向上させることです。
主にグローバル企業では、新しい期がスタートした時、新しくチームが編成された時、新しいメンバーが加わった時に定期的にチームビルディングを行う習慣があります。
詳しくはこちらの記事で解説をしていますのでご覧下さい。
トレーニングとは違う?!チームビルディングが世界中で行われている理由
チームビルディングで注目するところは、チームの関係性を高める、つまりお互いのことを深く理解し、そのメンバーの才能を活かし合うということにあります。
有名なモデルで、MITのダニエル・キム教授が提唱している「成功循環モデル」があります。
生産性が高いチームは、「結果の質ではなく、チームの関係性の質にこだわっている」というのがこのダニエル・キム教授が提唱している成功循環モデルです。
チームビルディングとは、チームの関係性の質を高めることで、チームの結果を最大化させるためのアプローチと言えるます。
2.チームビルディングが日本企業でも注目され始めた理由
長年、外資系企業では当たり前に行われてきたチームビルディングですが、2020年以降、日本でもチームビルディングに取り組む企業が増え始めています。
大きな理由として3点が挙げられます。
1.テレワークの普及
一番大きな理由として、テレワークの普及が挙げられます。かつてのオフィスワーク時代のように対面でコミュニケーションを取る機会が減少したことで、お互いのことを知る機会が減少したり、自分が直接関わらないお仕事に関して偶発的に情報を得ることが無くなりました。
そのことが会社全体のセクショナリズムや個別化を生み出しやすくし、チームで働くことへの意識を低下させてしまいます。
だからこそ、定期的に集まってチームビルディングを行うことで、メンバーの状況や他部署が行っている業務内容などを共有するきっかけを作る企業が日本でも多くなりました。
2.オンボーディングへの取り組み
2つ目の理由として、近年のオンボーディングへの取り組みがあります。
テレワークやフレックスの導入によって働き方が多様化し、同じ場所で同じ時間を過ごす機会が少なくなりました。そのため、新しく入社したメンバー(新入社員・中途社員)への教育機会が減少しつつあります。
【参考記事】採用のオンライン化が進む中、6割がオンボーディングの課題
テレワークが導入されたことで、より一層早期戦力化が求められるようになった一方、教育機会の減少は、新しいメンバーの成長とモチベーションのアップを難しくさせています。
だからこそ、相談しやすい関係性づくりや部門・部署を超えた人間関係を築くためにチームビルディングを導入する企業が増えてきています。
3.多様性のあるチームづくり
3つ目の理由としては、多様性のある組織・チームづくりの一貫でチームビルディングを導入する企業が増えてきているということです。
ここでいう多様性というのは、性別・国籍・年齢といった外見的なものだけではなく、働き方・ライフスタイル・価値観・才能・スキル・ジェンダーの多様性を含みます。
多様性のある会社やチームが新しいものを生み出したり、これまでではありえない成果を生み出すことを理解しはじめた企業が増えてきたことで、いかに多様性を受け入れ、活かし合うチームをつくるのかが企業にとって大きなテーマとなりました。
多様性を受け入れながらも、共通の価値観やゴールを共有していくチームをつくるために注目され始めたのがチームビルディングというわけです。
冒頭でも記載した通り、チームビルディングとはチームの関係性を高め、生産性や創造力を向上させることです。
チームの関係性を高めるというのは、お互いのことを深く知り活かし合うことであり、生産性や想像力を向上させるというのは、そのチームが目指すゴールをともに実現させることです。まさに多様性を認めながら、共通のゴールに向かっていくチームをつくるのがチームビルディングというわけです。
3.VRを活用したチームビルディングがもたらす効果
ここから本題であるVRを活用したチームビルディングがもたらす効果について解説をしていきたいと思います。
これまでに解説してきたようにチームビルディングの主な目的は、チームの関係性を高め、生産性や創造力を向上させることです。
では、VRを活用することでチームビルディングの効果はどのように変わるのか?について解説をして行きたいと思います。
【効果その1】VRをつけることでありのままの自分が出やすく、相互理解が深まりやすい
VRチームビルディングアクティビティを体験した方から一番多い感想が「メンバーの新しい一面を知ることができた」ということです。
何故VRを活用することで、メンバーの新しい一面を知ることができるのでしょうか?
それは、周囲からの目を全く気にしなくなるからです。
普段仕事をしていると、「上司や部下からこのように見られなければいけない!」とか、「仕事が出来る人だと思われたい!」と言った周囲からの目を気にするがあまり、無意識でペルソナ(本来の自分とは違う見せかけの自分)を被って接しているものです。
しかし、VRゴーグルをつけて仮想現実の中に入ってみると、周りからどう見られているといったことが全く気にならなくなります。
その人の本来の姿を見たメンバーにとって、また自分自身にとっても新しい一面を発見するのにVRを活用することは効果的だということです。
【効果その2】相手に寄り添ったコミュニケーションの重要性に気づく
VRを活用したチームビルディングアクティビティには様々な方法がありますが、多くはチームの一人のメンバーがVRゴーグルを装着し、他のメンバーはそれをサポートするといった形式を取っています。(将来的には全員がゴーグルをつけてVRの世界で交流するアクティビティも増えてくると思いますが。)
この形式は、参加者にとても有意義な気づきを与えてくれます。VRゴーグルを装着したメンバーが見ているものと他のメンバーが見ているものが全く違う中で、お互いが見ているものを相手にどのように伝えるのか?どうしたら伝わるのか?を体験しながら学ぶことができます。
自分が見えているものが全員にも見えていることを前提にコミュニケーションを取ってしまうと全く伝わらなかったり、誤解を招いてしまったりします。
VRチームビルディングアクティビティを進めていくにあたって、自分が見ているものが相手にとってどのように理解されているのかを気に掛けるようになります。そうすることで、お互いが見ているものへの理解が深まっていき、コミュニケーションの質が高まっていきます。
この体験は、現実世界でも同じようなことが起こっています。
あたり前のように自分だけが見ているものを前提に相手に伝えてしまい、相手に誤解を招く、また全く伝わっていないなんてことは現実世界でも起こりうることなのです。
VRを活用したチームビルディングによって、今まで当たり前のようにとっていたチームのコミュニケーションのあり方を見つめ直し、改善していくことが可能になるのです。
4.まとめ
メタバースやWeb3.0といった世界が注目されている中、VRは大きな可能性を秘めています。だからこそ様々な産業でVRを活用したサービスが急増しています。
是非一度VRチームビルディングアクティビティを体験してみてはいかがでしょうか?
チームの結束力を高めるチームビルディングアクティビティはこちら
この記事を書いた人
納土 哲也
岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。