チームビルディング

【手法5選】今日から使えるチームビルディングアクティビティの手法を紹介!

近年テレワークが定着し、どこにいても働くことができるようになりました。一方、テレワークによって新たな課題も出てきています。

日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)と株式会社キャムが共同で行った「テレワークに関する調査」によるとテレワークの課題で最も多く挙げられたのが、「業務上のコミュニケーションがしづらいこと」でした。(詳細は「自宅でのテレワークは、効率も落ちずストレスも感じない?!2021年最新調査|株式会社NEWERのプレスリリース」をご確認ください。)

これまでのオフィスワークの時代では、瞬時にお互いが何をしているのかが分かり易かったため、気軽に話しかけたり、相談したりすることができたので、自然とチームとして活動することができました。

しかし、働き方が多様化した近年では、コミュニケーションの取りづらさからくるチームワーク不足が多くの働く人々を悩ませています。

そこで、今回はチームワークを高めるための「チームビルディングアクティビティの手法」についてご紹介します。
「チームビルディングとは?」についてもっと深く知りたい方は「トレーニングとは違う?!チームビルディングが世界中で行われている理由」をご覧ください。

1.チームビルディングとはチームの活性化をもたらす活動

チームビルディングとは、一般的にチームの活性化や生産性の向上を目的とした活動を指します。

チームで話しやすい雰囲気を作ったり、部署を跨いだ関係性を築いたり、チームメンバー同士が相互理解を深めたり、といったケースにとても有効な手段となります。

2.チームビルディングにアクティビティが有効な理由

日本では、チームビルディング研修という名目でチームビルディングが行われることがありますが、海外では、チームビルディングアクティビティと呼ばれる研修とは異なる方法でチームビルディングが行われています。
むしろ、チームビルディングトレーニングと呼ぶことは稀なほどチームビルディングと研修は別物と捉えられることがほとんどです。

なぜ海外では、チームビルディングのために、アクティビティという手法が取り入れられているのでしょうか?その理由のひとつに、チームビルディングには”共通体験”が有効だとされているからです。

普段、一緒に仕事をしているメンバーであっても、お互いが見ている視点、考えていることは全く異なります。その違いから会議などで議論をしてもすれ違いが起きてしまったり、バイアス(思い込み)によるミスコミュニケーションが発生してしまいます。

だから、共通体験によって、理想のチームについての前提を揃えたり、メンバーの個性について新たな発見が生まれることで、質の高いコミュニケーションを取る土台を整えるためにアクティビティが取り入れられています。

”共通体験によって、同じメガネをかけてみる”ことが、良いチームをつくるためにとても重要視されています。

3.オンライン、オフラインどちらでも使えるチームビルディング3選

ここでは、オンラインでできる、オフラインでもできるチームビルディングの手法について紹介をさせていただきます。

①パーソナルヒストリー(所要時間40分〜60分)

パーソナルヒストリーは、人生を語り合うことで、お互いが大切にしている価値観や才能を理解しあうこと、そしてその価値観を承認しあうことで、関係性を高めることを目的としたアクティビティとなります。

<推奨参加人数>
4名以上

【準備物】
・4枚のA4の白紙(人数分)
・クレヨンまたは、色鉛筆(人数分)※無い場合は筆記用具でも可

【進め方】
1:まずは個人で自分の人生を「幼少期」「学生期」「社会人前半」「社会人後半」で分けて振り返ります。
※新入社員や若手社員の場合は、「幼少期〜小学校」「中学〜高校」「大学」「就活〜社会人」に分ける。

2:A4用紙一枚ずつにそれぞれの時期で「一番印象に残っている出来事」についてクレヨン・色鉛筆を使って絵を描きます。(一枚につき一つの時期)

3:描き終わったら、4〜5名のグループを作り、グループ内でそれぞれの出来事について一人ずつ発表を行います。

4:発表を聞いている発表者以外のメンバーは、発表を聞いて感じた「その人らしさ」をキーワードで書き留めておきます。

5:発表が終わったら、発表を聞いていたメンバーから4で書き留めておいたキーワードを理由とともに発表者に伝えてあげます。

6:次の人に交代をして1〜5を全員が終わるまで繰り返します。

<振り返りのポイント>
・人それぞれ違う人生を辿ってきたからこそ、必ず独自性のある価値観を持っている
・相手が大切にしている価値観を承認することが信頼関係が築くうえでとても重要

②コミュニケーションゲーム(所要時間15分〜30分)

コミュニケーションゲームは、「何かを伝える際は、相手を見て、全身で伝えることの重要性」を学ぶことができるアクティビティです。

<推奨参加人数>
 2名以上

【準備物】
・異なる複雑な図形が描かれた用紙2枚
※◯や✖️、□などの好きな記号を好きなように配置したものでOK(例えば、下記のような図形と配置)
・A4用紙1枚(人数分)
・筆記用具(人数分)

オフライン(対面)の場合

1:まず二人一組のペアをつくり、伝える側と伝えてもらう側に分かれます。

2:1回目は、ペア同士向き合って座り、伝える側の人に複雑な図形が描かれた用紙を渡します。

(相手に見せてはいけません。)

3:図形が描かれた用紙を渡された人は、相手に”口頭”でその図形を正確に伝えます。

(制限時間を3分程度に設定)

4:伝えてもらう側の人は、伝える側の人の説明をもとに、その人が見ている複雑な図形を想像しながら描きます。

5:制限時間が過ぎたら、お互いが持っている用紙を見せ合い、答え合わせをします。

6:次に、伝える側と伝えてもらう側を交代します。

7:今度は”背中を向き合わせ座り、相手が見えない状態”で始めます。

8:1回目と同じように伝える側の人に複雑な図形が描かれた用紙を渡し、伝える側が相手に口頭で説明をします。

9:こちらも同じく伝えてもらう側の人は、説明をもとにA4の白紙に図形を想像しながら描きます。

10:制限時間が過ぎたら、答え合わせをします。

【振り返りのポイント】
・1回目と2回目、どちらのほうが簡単で、どちらのほうが難しかったかについて振り返ります。
・コミュニケーションとは、言葉だけで伝えるものではなく、表情やジェスチャーで伝えるものであることが理解できます。


オンラインの場合

1:3〜4名のグループをつくります。

2:グループ毎に1名代表者を決めてもらい、代表者に複雑な絵が描かれた用紙を渡します。

※オンラインの場合は、PDFデータをプライベートチャットで代表者に共有するがおすすめです。

3:ブレイクアウトルームなどを活用し、グループごとに分かれます。

4:グループに分かれたら、代表者より描かれた図形を口頭で説明をしてもらい、他のメンバーは説明された図形を想像しながらA4の白紙に描きます。

(制限時間を5分程度に設定)

5:制限時間が過ぎたら、お互いが持っている用紙を見せ合い、答え合わせをします。

<振り返りのポイント>
・自分が見えていることと相手が見えていることには大きな違いがある
・自分が見ていることを相手に伝えるためにどう伝えるのが効果的かについて考える
・同じことを伝えても、伝わり方が相手によって異なるため、伝えた相手がどう受け取ったかを確認することが重要

③承認ビンゴ(所要時間 40分〜60分)

ビンゴを楽しみながらも、お互いの強みを承認し合うことができる一石二鳥のチームビルディングアクティビティです。

<推奨参加人数>
12名以上

【準備物】
・5×5のマスが描かれた白紙の用紙(手作りでOK、ビンゴと同じく真ん中はFreeを設置)
※それぞれのビンゴの枠に「強みのキーワード」を記入
・筆記用具
・Webルーレットアプリで参加者の名前を入れたルーレット
こちらのサイトで作成できます。)

【進め方】
1:まずは事前に作成したビンゴマスを参加者に渡します。

2:それぞれ強みが描かれたビンゴマスに、参加者が考える「この強みキーワードといったらこの人!」というメンバーの名前を記入します。その際は「参加者全員の名前を記入すること」をアナウンス(記入時間:目安5〜10分)

3:全員が記入が完了したことを確認したのち、ビンゴゲームスタート。ルーレットを回します。

4:ルーレットで出たメンバーの名前を読み上げます。オンラインの際は、ルーレットを画面共有をしたり、オフラインの際は、スクリーン画面に投影しながらルーレットを回すと盛り上がります。

5:参加者から数名どの強みのマスにその人の名前を入れたのかを発表してもらいます。オンラインの場合は、参加者全員からチャットで発表してもらうのがベスト。

6:あとは、ビンゴするメンバーが出るまで、3〜5の手順を繰り返します。

数名にビンゴの景品を用意しておくと良いです。

<振り返りのポイント>
・承認されることで自分の知らなかった強みに気づける
・承認されることは人のモチベーションの源泉
・承認しあう文化をつくっていくことが重要

4.オフラインで使えるチームビルディングアクティビティ2選

①トレインじゃんけん(20分程度)

導入のアイスブレイクとして短時間で、会場の雰囲気を一気にあげるのに最適なのが、トレインじゃんけんです。
チームビルディングとしてだけでなく、研修の導入などでも有効です。

<推奨参加人数>
12名以上(規模が大きければ大きいほど盛り上がります)

【準備物】
※特に事前に準備しておくものはありません。

【進め方】
1:会場にいる参加者全員でそれぞれペアをつくります。

2:ペアでじゃんけんを行い、負けた人は勝った人の背後に周り、肩に手をおいて人間トレインをつくっていきます。

3:今度は、それぞれ対戦相手を見つけ、先頭の人同士がじゃんけんを行い、負けたグループは勝ったグループの背後に周り、人間トレインをつくります。

4:あとは、2グループの人間トレインになるまで、じゃんけんを続けます。

5:2つのそれぞれのグループの先頭の人に意気込みを聞いて、場を盛り上げます。

6:最後のじゃんけんを行い、負けたグループが勝ったグループの背後に周って終了です。

<振り返りのポイント>
アイスブレイクのため、これといった学びはありません。
盛り上げることに主眼をおきましょう。

②ペーパータワー(所要時間40分〜60分)

ペーパータワーは、目標設定やPDCAの重要性とチームワークが学べるチームビルディングアクティビティです。

<推奨参加人数>
 6名以上

【準備物】
・A4の白紙 各グループ40枚程度
・ハサミ 各グループ分
・タイマー 1個

【進め方】
1:3名〜5名のグループを作ります。

2:それぞれのグループにA4の白紙20枚程度とハサミを配ります。

3:制限時間内に出来るだけ高い塔を建てるようにアナウンスをします。条件として手を離して10秒自立する塔を立てることも伝えます。倒れたら失格となります。(制限時間3分程度)

4:出来るだけ高い塔を立てるための作戦をグループで話し合います。(5分〜10分程度)

5:タイマーをセットし、ゲームにチャレンジします。

6:それぞれのグループの塔の高さを測り、順位をつけます。

7:1回目のチャレンジを踏まえ、さらに高い塔を建てるための計画をグループで行います。

8:1回目と同様、A4の白紙20枚程度とハサミを配り、2回目のチャレンジを行います。

9:1回目と同様、制限時間がすぎたらそれぞれのグループの塔の高さを測り、順位を発表します。ここで大事なのは、それぞれの1回目より高くなったグループがあることを意識してもらうことです。

10:2回のチャレンジを踏まえ、振り返りを行います。

<振り返りのポイント>
1回目より2回目のほうが塔が高くなったことを踏まえ、
・何事もまずはチャレンジしてみることで、高い目標設定ができる
・全員で意見を出し合うと思ってもいなかったアイデアが出てくる
・思い込みが高い成果を出すのを妨害してしまう
(ハサミがあることで使ってしまうグループが出てくるが、実はハサミを使わないほうが高い塔を建てられる など)

5.まとめ

今回オンライン、オフラインで使える5つのチームビルディングアクティビティをご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
働き方が多様化していく中で、自立した働き方が求められる一方、チームの重要性が見直されています。
だからこそ、チームビルディングアクティビティによって相互理解を深めたり、チームの重要性について皆さんで学んでみてはいかがでしょうか?

今回ご紹介したチームビルディングアクティビティのやり方についてもっと詳しく知りたい方は、お気軽にこちらからお問い合わせください。

この記事を書いた人

納土 哲也

岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。

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