チームビルディング

チームビルディングの効果とは?チームへの影響をわかりやすく解説

組織を運営する人事や、チームを運営するリーダーの中には、チームをよくするために何かいいアイディアを探している人もいますよね。

その際、「チームビルディング」という言葉を聞く人も多いのではないでしょうか。

この記事では、チームビルディングの効果や、チームビルディングが与えるチームへの影響について紹介します。チームビルディングに興味のある人は参考にしてみてください。

チームビルディングの効果とは関係性の質を向上させること

チームビルディングの効果とは、チームの「関係性の質」を向上させることです。チームの「関係性の質」の向上は、チームメンバー同士の良好な信頼関係を築くことにつながります。

チームの「関係性の質」には、次のようなものがあります。

【関係性の質が向上しているチーム状態の例】
・チームの進む方向性を全員で理解できている
・相互理解が深まり、チームにおける自分の役割を理解できている
・相互尊重が深まり、コミュニケーションが活発になっている

たとえば、「甲子園で優勝を目指しているチーム」と「楽しく健康を維持することを目指しているチーム」では、同じ野球チームでも動き方が変わります。全員がチームの進む方向性を理解することは、余計な衝突やいさかいを少なくし人間関係をよくすることにつながるでしょう。

組織やチームを運営する人は、チームビルディングに取り組むことで、チームの関係性の質がどのように向上するかを具体的にみてみましょう。

仕事の目標を共有するとチームの進む方向性を揃えることができる

チームビルディングのアクティビティを通して仕事の目標を共有することは、チームの進む方向性を揃えることにつながります。

たとえば、スポーツや対戦型のゲームなど、目標が立てやすいチームビルディングのアクティビティは「明確な目標がチームの一体感を高める」と、チームメンバーに実感させます。

日常の業務に、チームビルディングで得た「明確な目標を共有する大切さ」という気づきを紐づけることで、チーム一丸となっての行動が期待できるでしょう。

相互理解することで自分の役割を理解できる

チームビルディングのアクティビティを通して相互理解することは、自分の役割を理解することにつながります。

次の内容をメンバー同士で共有することは、相互理解を促進させます。

【相互理解をするためのトピック例】
・自分の得意なこと、苦手なこと
・今後していきたい仕事
・自分が大切にしている価値観
・チームメンバーが自分に期待していること

たとえば、分析が他者と比べて得意で、将来を見据えてさらに高度な専門スキルを得たいと考えているメンバーがいるとします。この人が、チームビルディングのアクティビティを通して他のチームメンバーからも「分析を通したチームへの貢献」を期待されていると知れば、自然と分析業務を行うでしょう。

つまり、自己開示や他者理解を通して具体的に「自分の役割」を認識することは、チームの中でどのように動くか考えるための指針となります。

相互尊重することでコミュニケーションが促進されやすくなる

チームビルディングのアクティビティを通して相互尊重することは、コミュニケーションの促進につながります。

たとえば、お互いに大事にしている価値観や、価値観が形成された過程について自己開示することは、表面的な言動の背景を理解しあうことにつながります。自分の言動の背景を理解してもらえることは、「表面的な言動をネガティブにとられるかもしれない」という不安感を緩和するでしょう。

言動の背景を含めて相互尊重することは、普通なら言いにくい内容を話す心理的障壁を下げます。そのため、チームビルディングを通して相互尊重できる土壌を整えることは、コミュニケーションの促進につながると言えます。

チームビルディングはチームの思考や行動や結果に影響する

チームビルディングのアクティビティを通して「関係性の質」を高めることは、間接的にチームの「思考」「行動」「結果」に影響します。

MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏によって提唱された「成功の循環モデル(Theory of Success)」は、チームの「関係性の質」が「思考」や「行動」、さらには「結果」に影響すると示しています。

図1 「成功の循環モデル(Theory of Success)」ダニエル・キム

たとえば、コミュニケーションがとりやすい関係性の質がよいチームは、自然と思考も前向きになります。また、思考が前向きであれば行動も積極的になり、成果も出やすいです。

組織やチームを運営する人は、チームビルディングで高められる「関係性の質」がチームにどのように影響するのかを具体的にみていきましょう。

チームの思考の質を向上させる

チームの「関係性の質」は「思考の質」を向上させます。「思考の質」が向上すると次のような状態につながります。

【思考の質が向上しているチーム状態の例】
・不都合な現状を受け止める考え方ができる
・前向きな考え方ができる
・柔軟な考え方ができる
・業務へのモチベーションを高める考え方ができる
・新しいアイディアを考えることができる

たとえば、営業の数字が未達になりそうなことが月の半ばで見えたとき、普段から話しやすい関係性の質のよいチームであれば、率直に現状を受け止めて改善策を考える思考に移りやすいです。一方で、未達で責められる恐れを感じる関係性の質がよくないチームでは、月末ギリギリまで未達しそうな状況が共有されないでしょう。

ネガティブな話題でも話すことができたり、普段からちょっとした相談がしやすかったりする「関係性の質」のよいチームでは、率直な話し合いができます。率直な話し合いができれば、柔軟な思考ができたり、前向きな思考ができたりと「思考の質」が向上するでしょう。

チームの行動の質を向上させる

チームの「思考の質」は「行動の質」を向上させます。「行動の質」が向上すると次のような状態につながります。

【行動の質が向上しているチーム状態の例】
・不都合な現状を変化させるための行動ができる
・前向きな声かけができる
・状況を見ながら臨機応変に行動することができる
・自分から主体的に行動することができる
・新しいアイディアを行動に移すことができる

たとえば、営業の数字が未達になりそうなことが月の半ばで見えたとき、率直に現状を受け止めて改善策を考えられるチームは、次にとるべき行動をすぐに明確にできます。また、前向きな思考や柔軟な思考ができれば、何か障害が出てきても状況を見ながら臨機応変に対応できます。

前向きで柔軟な思考ができる「思考の質」のよいチームの考え方は、メンバー同士で前向きな声かけができたり、主体的に行動できたりと「行動の質」を向上させることにつながるでしょう。

チームの結果の質を向上させる

チームの「行動の質」は「結果の質」を向上させます。「結果の質」が向上すると次のような状態につながります。

【結果の質が向上しているチーム状態の例】
・チームの目標が達成できる
・チームのビジョンを実現できる
・メンバーが自己実現できる

たとえば、何か障害があったとしても臨機応変に対応し続けられるチームは、徐々に結果もついてくることでしょう。また、障害を乗り越えるための行動は、自己実現につながったり、スキルアップにつながったりと、メンバー自身にとってもよい経験になっている可能性があります。

前向きな声かけができたり、主体的に行動できたりと「行動の質」のよいチームの行動は、目標達成やメンバーの自己実現など「結果の質」を向上させることにつながるでしょう。

まとめ

今回は、チームビルディングの効果と、チームビルディングがチームにもたらす影響についてご紹介しました。

チームビルディングは「関係性の質」を高めることができます。また、「関係性の質」を高めることは、間接的にチームの「思考」「行動」「結果」に影響します。

組織やチームを束ねる人は、チームビルディングを活用してチームの「関係性の質」を高めてみましょう。

なお、株式会社Teamieでは、チームビルディングの企画や運営をサポートしています。ご興味のある方はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

納土 哲也

岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。

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