チームビルディング

チームビルディングの際に最も重要視すべきこととは?チームビルディングを手がける際にコンサルタントが考える3つのこと

1. はじめに

「チームビルディング」と聞くと、多くの方が思い浮かべるのはレクリエーションや体験型のワークショップかもしれません。

もちろんそれらも有効ですが、実際に多くの企業や組織を支援してきた立場から言えば、表面的なイベントだけでは、チームの本質的な変化は起こりません。

強いチームをつくるには、もっと深い部分に目を向ける必要があります。
私たちが100社以上の組織開発・チームビルディングを支援してきた経験から見えてきたのは、成功するチームには必ず共通点があるということです。

それが、次の3つです。

  1. チームの文化(共通の価値観)を明確にしていること
  2. リーダーがリスクを取る姿勢を持っていること
  3. メンバーがフローに入れる環境を整えていること

これらは、単なる理論やスローガンではなく、現場で実際に成果を出すために欠かせない「土台」。
では、それぞれが具体的にどうチームに作用し、なぜ欠かせないのかを順番に見ていきましょう。

2. チームビルディングに必要な3つのポイント

2-1. チームの文化(共通の価値観)を明確にする

チームが迷走してしまう原因の多くは、実はスキルやリソース不足ではありません。
「自分たちは何を大切にしているのか?」が不明確なまま動いていることが、最大の問題です。

チームの文化とは、「このチームが何を拠り所に活動しているのか」という根源的な問いの答えです。

  • 混乱やプレッシャーの中で、何を基準に意思決定しているか?
  • どんな行動を「このチームらしい」と感じるのか?
  • このチームにいることを誇りに思えるか?

これらに答えられるチームは、方向性がぶれず、どんな環境でもしなやかに進んでいけます。

一方で、多くのチームは価値観を「感覚で共有しているつもり」になっており、いざという時に足並みが揃わなくなります。だからこそ、文化を明確に言語化し、繰り返し共有し、日々の行動に落とし込むことが必要なのです。

文化はポスターに掲げるスローガンではなく、メンバー全員が「自分の言葉」として語れ、行動で示せるものになって初めて、チームの力として機能します。

2-2. リーダーがリスクを取り続ける

どれほど立派なビジョンや文化があっても、チームの「地場」(雰囲気や活気)は放っておくと停滞します。停滞したチームの特徴は、挑戦を避け、保守的になり、責任を他者に押し付けたくなる雰囲気が漂うこと。

そんな空気を打破するカギは、リーダーの姿勢です。
リーダーが率先してリスクを取り、「挑戦することが当たり前」という空気をつくることで、チーム全体の地場が活性化します。

ここでいうリスクとは、無謀な賭けではなく、
「心がざわざわするけれど、その先に明るい未来を描ける挑戦」のこと。

リーダーは常に、自分の中の「ブレーキ」と向き合い、それを超えて行動することが求められます。挑戦を繰り返すことで、チームには活気と学習が生まれ、文化も進化していきます。

逆に、リーダーが挑戦を恐れて守りに入ると、チームの地場も一気に淀み、メンバーも同じく停滞してしまいます。リーダーの姿勢は、チームの未来を大きく左右するのです。

2-3. フローを生み出す環境を整える

最後のポイントは、メンバーがフロー(没頭・集中の状態)に入れる環境をつくることです。

人がフローに入るのは、「好きで」「得意で」「貢献できること」を続けられるとき。しかも、そうした強みは多くの場合、本人にとって当たり前すぎて自覚していません。

だからこそ、チームでお互いの強みに気づき、活かし合える環境を設計する必要があります。
例えば、プロジェクトを進める中で「誰がどんな時に一番イキイキしているか?」を観察し、その強みを活かせる役割を意図的に割り当てるだけでも、パフォーマンスは飛躍的に高まります。

これは単なる役割分担ではなく、「この人だからこそ生きる役割」をつくり出すことです。そうすることで、メンバー一人ひとりが自然とフローに入り、結果としてチーム全体の成果や士気が格段に高まります。

なぜこの3つがそろうとチームが変わるのか

文化が明確になり、リーダーが挑戦を体現し、メンバーが強みを活かせる環境があるチームは、外から見ても「エネルギーがある」「成果を出し続けている」組織に見えます。

逆に、どれか一つでも欠けていると、

  • 文化がない → チームの方向性が迷子になる
  • リスクを取らない → 停滞して守りに入り、縮小均衡に陥る
  • フローがない → メンバーが疲弊し、パフォーマンスが出ない

といった形で、停滞や衰退のスパイラルに入りやすくなります。

3つがそろったチームは、「強いだけでなく、しなやかで持続的に成長できるチーム」へと進化します。

4. まとめ

チームビルディングを本当に成功させるための3つのポイントは、

  1. 文化(共通の価値観)を明確にし、行動に落とし込むこと
  2. リーダーがリスクを取り、挑戦の文化を育てること
  3. メンバーが強みを活かし、フローに入れる環境を整えること

チームビルディングは、一度のイベントや研修で完結するものではありません。
文化を磨き、挑戦を促し、強みを生かす環境をつくり続けることが、組織開発やリーダーシップ強化の本質なのだと私たちは考えます。

「最近チームが停滞している」「もっと成果を上げたい」と感じているなら、この3つの視点をチェックしてみてください。そこに、チームが飛躍するためのヒントが隠れています。

Team Development(チーム開発)のためのチームビルディングやワークショップ一覧

この記事を書いた人

納土 哲也

岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。

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