はじめに:ソースパーソンとして第一歩を踏み出すためにーーコールを受け取る
「ソース原理」では、すべての活動やプロジェクトは ひとりの想い(ソース) から始まります。その想いが芽生える瞬間を 「コール(Call)」=呼びかけ と呼びます。
- 「こんなことを実現したい!」
- 「なぜか心がざわつく、どうしても気になる」
- 「頭で考える前に“やらなきゃ”と思ってしまう」
こうした内なる呼びかけが、まさにコールです。
そして、このコールを受け取った人は ソースパーソン となり、創造の道を歩み始めます。ここで大事なのは、ソースパーソンは「特別な才能を持った一部の人」ではない、ということ。
次の章から詳しく見ていきましょう。

コールとは?
「コール」は、あなたの内面から湧き上がる 小さな声 のようなものです。
それは必ずしも大きなビジョンや壮大な使命感ではなく、
- 「この本を翻訳してみたい」
- 「近所の空き地を花でいっぱいにしたい」
- 「職場の雰囲気をもっと明るくしたい」
そんな些細な思いつきから始まることもあります。
ソース原理では、すべてのプロジェクトは誰かが“そのコールを聞いた瞬間”から動き出すとされます。
つまり、コールは すべての始まりの合図 なのです。
誰もがソースパーソンになれる
多くの人は「ソースパーソン」と聞くと、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのようなカリスマを思い浮かべるかもしれません。
ですがソース原理におけるソースパーソンは、そんな特別な人を指してはいません。
ソースパーソンとは、
「コールを受け取り、自分の行動で応えた人」 のことです。
つまり、日常の中で誰でもソースパーソンになれる。
それは「才能」や「適性」とは関係なく、むしろ 勇気や素直さ に関わるものなのです。
たとえば、家族や友人のために新しい習慣を始めた人も、その瞬間は立派なソースパーソンです。

コールを受け取るか、スルーをするか
ここで分かれ道があります。
人は日々、たくさんの小さなコールを受け取っています。
- 「こんな勉強を始めたい」
- 「仲直りのために声をかけたい」
- 「もっといいやり方があるはずだ」
しかし、その多くは「時間がない」「自分には無理だ」「また今度」とスルーされてしまいます。ソース原理が伝えているのは、「コールを受け取るか、スルーするか」ただそれだけの違いで、人はソースパーソンになるかどうかが決まるというシンプルな真実です。

コールの受け取り方ーー垂直と水平
こで重要なのが「コールをどう受け取るか」です。
その方法には大きく垂直と水平の2つがあります。
垂直(Vertical)
直感やインスピレーションとして「上から降りてくる」ように訪れるのが垂直のコールです。
まるで宇宙から情報をダウンロードするように、一瞬でビジョンが浮かび上がることがあります。
例)
- 夢の中で、これからやるべき事業の全体像が鮮明に見えた
- 瞑想していたら、突然「これをやるべきだ」という強烈なメッセージを受け取った
このタイプのコールは説明が難しいものの、多くの人が「降りてきた!」と直感的に表現します。
水平(Horizontal)
一方で、外の世界とのやりとりや観察から立ち上がるのが水平のコールです。
人との対話、現場での経験、社会の変化など「横から押し寄せる波」のように訪れます。
例
- 顧客との会話から「こんな商品が必要とされているんだ」と気づいた
- チームでの雑談から「じゃあ一緒にやってみよう」という企画が生まれた
- 災害や社会課題に触れて「これは放っておけない」という使命感を覚えた
水平のコールは、現実との共鳴 から自然に立ち上がります。
垂直と水平の違い
- 垂直 → 「内的直感・宇宙的なインスピレーション」
- 水平 → 「現実世界・周囲との関わりからの気づき」
ソースパーソンは、この2つのルートのいずれか、または両方からコールを受け取り、プロジェクトを始動させます。

おわりに―コールを受け取ることから旅は始まる
今回取り上げた「コール」は、すべての創造の出発点です。
ソースパーソンかどうかは、そのコールを受け取るか、スルーするか にかかっています。
- 垂直=直感やインスピレーション(上から降りてくる感覚)
- 水平=現実との関わりや他者との共鳴(横から押し寄せる気づき)
この二つの経路を通じて、誰もがソースパーソンになり得るのです。
次回は、チームビルディングのカギとなる「チームを活性化させる方法!!クリエイティブフィールドに活力を与えるためにソースパーソンがやるべきこと」について、詳しく探っていきます。お楽しみに
Team Development(チーム開発)のためのチームビルディングやワークショップ一覧





この記事を書いた人

納土 哲也
岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。