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チームのエンゲージメントを高める、マネージャーの5つの習慣

 

チームのエンゲージメントを高める、マネージャーの5つの習慣

はじめに

新年度が始まって約3週間。あなたのチームのエンゲージメントは、上がっていますか?

Gallupの調査(2023年版)によると、日本のエンゲージメント率はわずか約6%とされています。
世界平均の23%と比べても、大きく下回っている水準です。
「うちのチームは大丈夫」と感じていても、実際は多くのメンバーが
“やらされ感”を抱えているかもしれません。

この記事では、外資系・スタートアップの現場で効果が出た5つのマネジメント習慣を紹介します。
明日の1on1からすぐ試せる内容にまとめているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

GW前のこの時期に一つでも行動できれば、チームの空気は変わります。
新年度チームビルディング7つの手法
もあわせて参考にしてください。


エンゲージメントとは何か?「満足度」との違いを1分で理解する

満足度・コミットメントとエンゲージメントの違い

「給与に不満はないけれど、仕事に没頭できていない」──そんな状態を経験したことはありますか?

これは「満足度は高いが、エンゲージメントは低い」状態です。
エンゲージメントとは、単なる満足感や忠誠心(コミットメント)とは異なる概念です。

  • 満足度:職場環境・給与・人間関係への満足感
  • コミットメント:会社への帰属意識・離職しない意向
  • エンゲージメント:仕事や組織に「自分ごと」として積極的に関わる状態

エンゲージメントの高いメンバーは、指示を待つのではなく自発的にアイデアを出します。
“やらされ感”ではなく”自分ごと感”こそが、エンゲージメントの本質です。

エンゲージメントが低いと何が起きるか(生産性・離職への影響)

Gallupの研究によると、エンゲージメントの低い従業員は高い従業員と比べ、
生産性が最大20〜25%低下するとされています。
さらに、マネージャーの行動がエンゲージメントの変動の約70%を説明するというデータもあります。

日本(約6%)と世界平均(約23%)の差は、決して他人事ではありません。
チームのエンゲージメント向上は、マネージャー自身の行動にかかっているのです。


なぜ新年度3〜4週間後にエンゲージメントが下がりやすいのか

「期待値ギャップ」「役割の曖昧さ」「帰属感の薄さ」── 3つの要因

4月の期待感はどこへ行ったのでしょうか。
新年度スタートから3〜4週間が経つと、多くのチームで熱量が落ち始めます。
その背景には、3つの要因があります。

① 期待値ギャップ
4月に描いていた理想と、現実の業務のギャップが顕在化する時期です。
「もっと裁量があると思っていた」「チームの雰囲気が思ったより硬い」
といった感覚が積み重なり、モチベーションを削っていきます。

② 役割の不明確さ
新体制・新メンバーが加わった環境では、「自分の立ち位置」が曖昧になりがちです。
会議で発言しにくい雰囲気が続いたり、
新メンバーが質問できずに一人で抱え込んだりするシーンは、
外資系・スタートアップの現場でも決して珍しくありません。

③ 帰属感の薄さ
チームへの一体感がまだ育ちきっていない段階です。
特にリモート・ハイブリッド環境では、メンバーの感情が見えにくく、
孤立に気づくのが遅れてしまいます。
リモートチームのマネジメント術7選
では、この課題への具体的な対応策を詳しく解説しています。

GW前がアクションの最後のタイミングである理由

日本生産性本部の調査によると、GW後・年度替わり直後に転職検討者が増加するトレンドが
毎年確認されています。
GW中に「転職サイトを少し見てみようかな」と思わせてしまう前に、
今がアクションを取れる最後のタイミングです。


エンゲージメントを高める、マネージャーの5つの習慣

習慣①:週15分の「気分チェックイン」1on1を設ける

頻度:週1回・15分

業務進捗の確認ではなく、最初の5分を「今週の気分・困っていること」に使ってみてください。

「今週、何かモヤモヤしていることはある?」

このひと言だけで、メンバーの状態を把握できる機会が生まれます。

あるSaaS系スタートアップ(30名規模)では、月1回の1on1を「週15分チェックイン」に
変更したところ、3ヶ月後にエンゲージメントサーベイのスコアが8pt向上。
「相談しやすくなった」という声がメンバーから増えたそうです。

習慣②:「貢献の見える化」── 仕事の意味をOKRと紐づけて言語化する

頻度:1on1のなかで月1回・5分

「自分の仕事がチームや会社にどう貢献しているか」が見えないと、
モチベーションは少しずつ下がっていきます。
月に一度、次の問いかけを試してみてください。

「今の仕事、チームのOKRのどこに効いていると思う?」

あるベンチャー企業のマーケティング部門(15名)では、OKRと1on1を連動させ
「貢献の意味」を毎週言語化したところ、半期での自己退職者数がゼロになりました。
メンバーの強みと役割を結びつけるアプローチについては、
強みを活かし合うチームの作り方「ストレングスチームワークショップ」
もあわせて参考にしてください。

習慣③:「具体的な承認」をカレンダーにリマインドする

頻度:週1回・1〜2分

「頑張ってるね」という言葉も悪くはありませんが、より効果的なのは行動への具体的な承認です。

「昨日のクライアント対応、あのフォローアップのスピード、さすがだった」

外資系コンサルファーム(日本法人)では、マネージャー全員が
「週1回の承認」をカレンダーにリマインド設定して実践しました。
その結果、eNPS(推奨意向スコア)が-15から+8へ改善(約6ヶ月)。
カレンダーに入れてしまうことで、忙しい日常のなかでも習慣として継続できます。

習慣④:Peer Recognitionの仕組みをチームに持ち込む

頻度:仕組みの導入は1回。その後は週1回以上の運用

エンゲージメント向上は、マネージャーだけの仕事ではありません。
メンバー同士の「ありがとう」を可視化する仕組みを作ることで、
チーム全体の空気が変わります。

Slack Bot・付箋・朝会でのシェアなど、形式は問いません。
ある外資系ITサービス企業(日本法人・60名)では、
Peer Recognitionを導入してから6ヶ月でエンゲージメントスコアが+12pt向上。
自発的なアイデア提案件数も月平均3件から9件に増加しました。

習慣⑤:サーベイ結果をチームに「開示」して一緒に議論する

頻度:四半期1回・30〜60分

スコアを自分一人で抱え込んでいませんか?
エンゲージメントサーベイの結果は、チームと一緒に見ることで初めて活きてきます。

「正直なところ、このスコアを見てどう思う?」

あるスタートアップ(20名)では、四半期ごとにサーベイ結果をチームに開示したところ、
回答率が53%から91%に上昇。
「会社が本気で変えようとしている」という信頼感が醸成されました。


よくある失敗:「サーベイを取るだけ」で終わっていませんか?

エンゲージメントサーベイを実施しているのに、結果が活かされていない──
これは多くのマネージャーが陥りやすい落とし穴です。

前述のとおり、マネージャーの行動がエンゲージメントの変動の約70%を説明するとされています。
スコアを変えられるのは、ツールでも制度でもなく、あなた自身の行動です。

結果を活用するための4ステップを紹介します。

  1. 結果を自分だけで抱え込まない:まずチームと共有することを決める
  2. チームに開示する:「うちの課題」として全員で向き合う
  3. 「1つだけ変える」を決める:全部やろうとしない。まず一つに絞る
  4. 次のサーベイで変化を確認する:小さな変化を数字で確認し、続ける力にする

サーベイ結果をチームと共有するための3つの問いかけ

開示の場で使える問いかけを3つ紹介します。

  • 「このスコアを見て、率直にどう感じる?」
  • 「一番改善したいのはどこだと思う?」
  • 「来月、チームでできることを1つ挙げるとしたら?」

答えを出すことより、「一緒に考えている」というプロセスそのものが
エンゲージメントを高めていきます。


心理的安全性とエンゲージメントの深い関係

ここまで紹介した5つの習慣は、チームに心理的安全性がある状態でこそ機能します。
「何を言っても大丈夫」という土台がなければ、1on1での本音も、
Peer Recognitionも、形だけになってしまいます。

エンゲージメント向上の習慣を根づかせるために、心理的安全性の構築はセットで取り組むべき課題です。
具体的なアクションについては、
心理的安全性を高める5つのアクション
をご覧ください。


まとめ

チームのエンゲージメント向上は、大きな施策よりも小さな習慣の積み重ねで実現できます。
今回紹介した5つの習慣を振り返ります。

  • 習慣① 週15分の「気分チェックイン」1on1で、メンバーの状態を把握する
  • 習慣② 仕事とOKRを紐づけて「貢献の意味」を言語化し、自分ごと感を高める
  • 習慣③ 具体的な行動への承認をカレンダーにリマインドして習慣にする
  • 習慣④ Peer Recognitionの仕組みでメンバー同士の「ありがとう」を可視化する
  • 習慣⑤ サーベイ結果をチームに開示し、一緒に議論する場を作る

まずは来週の1on1で、最初の5分だけ「今週のモヤモヤを聞く」を試してみてください。
小さな習慣の積み重ねが、チームを変えていきます。


Teamieでは、外資系・スタートアップ企業のチームビルディングや
エンゲージメント向上を専門的にサポートしています。
「何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

Teambuilding のためのチームビルディングやワークショップ一覧

この記事を書いた人

納土 哲也

岐阜県飛騨高山市生まれ。
人財育成・組織開発のコンサルタントとして、100社以上の企業の人財育成・教育体系の構築を手がける。2014年にチームビルディング事業の事業責任者として立ち上げに従事。
2018年に本場のチームビルディングを学ぶため、オーストラリアへ単身留学。現地のチームビルディング企業で、ゲーミフィケーションをベースとしたチームビルディングメソッドを学び、2019年に帰国。2021年に株式会社Teamieを創業。

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